触れ 色づきゆく

せかいを彩る要素たちのことを書きます。 本を中心に、生活雑貨、展示物、映画などについて。 ネタバレはしません。

小説・秒速5センチメートル (ダ・ヴィンチブックス)小説・秒速5センチメートル
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★★★★☆

2007/11/14
新海誠

岡山で働いていたときに見たDVD。
鮮やかでキラキラした色彩が印象深いですが、
小説版を借りたので読んでみました。
3つのショートストーリーが、
繋がりを保ちながらも流れていく作品です。

やっぱりいちばんすきなのは1話めでした。
痛いくらいむき出しの感情が
切なくて嬉しくてだいすきです。
とてもすてきなお話。

それからも時間は流れていくのだけど
いつもどこか乖離していて、
その状態がいまの私に重なる。
ここじゃない?
ここでいい?

こたえはない。
最適解もわからない。

叙情的な本でした。
文章はあまり好みではなかったけれど
雰囲気作りがとてもきれい。
なだらかに感情を喚起されるかんじです。

あ。
映画では見られなかったところが
明かされるぶぶんもありました。
あれは読めてよかったと思った。


↓これもすき。佐原ミズさんの絵だなんて最高。
ほしのこえ (アフタヌーンKC)ほしのこえ (アフタヌーンKC)
FC2

2005/02
佐原 ミズ、新海 誠

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金閣寺金閣寺
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★★★☆☆

1960/09 三島 由紀夫

「潮騒」に続く三島由紀夫の2冊目。
理由も無くとにかく三島が読みたくて、
図書館にあったこの本を借りてみたのでした。

「潮騒」とはまったく違う。
精神世界系で、けっこう疲れる本でした・・・
ちまちま読んでたから3週間かかってしまったー。。

話はなかなか前に進まなくて、
ただ渦のような時間が過ぎていきます。
途中でわあっと盛り上がることが無いから疲れるのかなぁ。
でも好きですよ。

何より印象的なのは、描写。
三島さん・・・
描写が素敵すぎて
その表現力に打ちのめされますよ。。。
美しすぎる。
文章の流れも、そこから脳裏に浮かぶ景色も。

特に無機物を主語とする文が好き。
あー・・用語があったはずだけど思い出せない・・
なんていうんだっけ(´゚д゚`)
「花が迎え入れた」みたいに無機物に感情があるような書き方。
・・・知ってたら教えてください・・・。

とにかく三島さんのそういう書き方が好きです。
繊細でしっとり入り込んでさらっと抜けていく。

内容は、ひたすら内面に向かってました。
生きる意味を問うことは傲慢だといいながら、
私には彼は必死に生きる意味を探しているように思えた。

でも彼の生き方を理解できないわけじゃないです。
自虐的な快楽や暴力的な快楽は、
私たちにも内在する感覚のような気がして
ちょっと怖い思いがしたし・・・
尺八のくだりなんかは少し嬉しかった。

後半、どんどん内に向かう力が大きくなって
あれはなんというかなあ・・・
不思議な快楽ですね、読んでいても、何故か。
・・・あ・・・、鶴川くんのことは、なんとなく気付きました。
もうちょっと別の想像をしていたけれど。

怖いけど人間の生々しさが描かれてる気がします。
・・・鬱なときに読むと楽しさ倍増ですw
 
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陽気なギャングが地球を回す陽気なギャングが地球を回す
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★★★☆☆
 
2003/02 伊坂 幸太郎

また変な題名だなあと思いながら借りてきましたー
伊坂幸太郎4冊め。
 
とにかくテンポがいいです。
コメディ映画みたいにぽんぽん展開します。
 
本当に陽気なギャングたちのお話ですが、
それなりに皆ちゃんと生きてるとこがいい。
久遠さんがとっても好きです。
考え方が私と似てる。
ニュージーランドの羊は私も大好きなんです。
なにせ2ヶ月も1人で旅した国ですからっ!
 
ですが残念なことに・・・
お話の複雑さにおいては、かなり欠落しています。
私にも読めてしまう。
伏線の張り方はやっぱりとても上手いし、
あれがここで活きてくるのかー!!
っていうのもあるのですが
今まで読んだ作品ほど複雑ではなかった。
 
コメディとして、何も考えずに読めば面白いと思います。
私は筋を整理しながら読んじゃったから
物足りない思いをしてしまいました><
 
でも伊坂さんはこういうキャラクターも描けるのですね!
今までにはなかったタイプです。
陽気さがすごく心地良い。
雪子さんも祥子さんもよかったなぁ。
人間関係もとても好感が持てたし、
自然と味方になっちゃいますねー(*´∀`*)
 
力ぬいて読むのがオススメです。
そういえばこんなに「面白い」小説って珍しい!
 
いちばん好きなシーンは、
響野の喫茶店での発言を振り返るところ。
思わず笑ってしまう〜〜〜。
あ、それと、響野の「驚いたこと」の話もよかったな。
考えさせられるのは、「決断」と「責任」。
まったくその通り。
 
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壬生義士伝〈上〉壬生義士伝〈下〉壬生義士伝・上
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★★★★★
 
2000/4 浅田 次郎

初めて読んだ歴史物。
新撰組のお話です。
 
私は新撰組に関してはよく知らなくて、
漫画ではその一角に触れたことはあるけど
実際的な歴史の流れとか、
社会的立場とかいったことはこの本で初めて知りました。
 
崇められてる新撰組が、こんなにも孤独だったなんて。
状況は切ないんだけど、一途に人間になろうとする姿が
とてもとても格好良かった。
たぶん誰しもが、自分の信ずる義や仁に従って
人間になるために生きてるんだろうと思うけれど
現代人はここまで貫く覚悟を持ってはいないですよね。
というか、必要がなくなってしまったというべきかな。
 
命をかけてまで必死に何かをすることなく、
安穏と暮らしていけるようになってしまった。
自分や家族の生命の危機というものは
遠いところに隠されてしまった。
 
それは文明の発展であり、または技術の発展であり、
そして人間性の欠落だと思っています。
本能の抑圧のうえに成り立つ、
清潔で簡潔で整頓されたようにみえる世界が、今。
 
この時代を生きた人達は命を削って生きて
本当に大変な苦労をしたと思うけれど
今みたいに、1と0とで様々な作業がなされてしまう時代に
私はそれを少し、羨ましいとも思います。
生命の実感や喜びも、相当減ったと感じるから。
 
 
この本は様々な視点から何度も歴史が掘り起こされていくので
歴史の苦手な私は頭を整頓するのにかなり苦労をして
読むのに時間はかかってしまったのですが、
読み進めるうちに明らかになっていく真実たちは
往々にして暖かくて心地良かったです。
 
勿論、かなりやるせないのですけど。
 
御組頭様や嘉一郎くんのくだりが特によかった。
小説ではあまり泣かない私が唯一泣いたのがここでした。
ふたりとも、ずっと男として生きてきたんだもんなああ・・
 
それから、個人的には斉藤一にかなり共感する。
人間に対する嫌悪感とか、あの偏屈さとかね。
それなのに最後のあの行動。男じゃないですかーーー!
あんなふうに生きてみたい。カッコイイ。
 
物語のラストに、こんなにも納得したのは久しぶりだと思う。
最後の声の意味や、
人物や風景に。
 
最後の漢文のような部分もいいですよ。
お互いの親密さが伝わってくる。
読むの大変だったけど、想いが凝縮されてた。
 
カフカ、オーデュボンに並んで★5つ。
 
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★★★★☆
 
2006/07 浅田 次郎

普通なら知ることもない、
厳しい父の過去。
それは雑然とした昔の日本にあって
その中ですごくまぶしく見えた。
カッコイイ。
特に地下鉄に駆け込んでくるシーンは
とても印象的でした。
 
地下鉄が繋ぐ過去と今。
 
理解し、許容するしかない存在。真実。
過酷ですごくすごくすごく悲しかったけれど
みんなが優しかった。
 
でもやっぱり私は悲しくて
もっと、もっとどうにか別の方向に動いて欲しかった。
だって皆一生懸命だったし精一杯だったし
魅力的だったんです。
事象に対してひどく無力感を持ちました。
 
私は、こういうのってなんとなく納得できないんです。
過去に戻ってやりなおしたいなんて全然思わないから。
それは今の自分がダイスキ!っていうんじゃないんだけど
それでもここまで拾ってきたいろんなものを
全部覆してまでやり直したいなんて思えない。
 
よく、「あの頃からやり直したい」って言うひとがいるけど
すっごく勿体ないなぁーって感じてしまう。
勿論、タイミングによって結果の良し悪しは変わります。
だけどその結果として在る自分を否定しちゃうのは勿体無い。
んー、いつも消えたいと願ってる私が
こんなふうに思うのも不思議だけどねww
とにかく折角頑張ってきたのにやり直しなんて面倒じゃん、
今のままでじゅうぶんだよ。って、思うのです。
 
ってコトを考えてました。
切なすぎるけれど素敵な本です。
ひとの道の複雑さと純粋さ、
そしてそれ故の苦しさを感じさせられます。
 
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★★★★☆
 
1980/01 村上 龍
 
☆文庫版は下部にあります

ずっと読みたかったこの本。
やっと読むことができました。
 
村上龍の本って村上春樹の隣に置いてあるし、
まわりでも混同してる人が多いようなので
なんだか気になって何冊か読んだのですが、
あの文章の流れが好みではありませんでした。
 
淡々と、結果を排出し続ける機械のような印象を受ける。
そしてとても眠くなってしまうんです。
でもこれはいいから!ってお勧めされていたので
いつか読もうと思ってました。
 
文章は相変わらず淡々としていました。
事象の羅列。
何が起こった、どう感じた、こう行動した。
とにかく読点が多くて、起伏というものがない。
なんかね・・理論的ってかんじ・・
でも読みました。
内容はすっごく面白いから読みました。
めちゃめちゃ眠くなって何回も寝ちゃったけど読みました。
 
キクとハシって名前が似てるので
最初はどっちがどっちかよくわかんなくなって苦労した。
でもどんどん成長していくのね。
物語のなかでこんなにも時間が経過するのって珍しいと思う。
その成長過程がすごくすごく興味深くて
どんどん先が気になってしまうかんじでした。
 
主人公の2人はそれぞれに考えて
自分を探しながら進んでいきます。
苦しかったり楽しかったり
奇妙に交錯しながら進んでいく。
この2人の関係はとてもすてきだと思った。
そして、その関係性は実際の兄弟と似てる。
お互いに感じるコンプレックスや愛情、すごく分かる。
 
私はキクになりたいと思った。
だって凄く格好良い。
だから私はハシなんです。
ハシにすごく似ていると思う。
様々な側面において、似ていると思う。
見ていてつらかった。
 
それからアネモネが好きです。
たまに見せる恐怖の顔がたまらない(←変態w
アネモネもかっこいい。
すごく好き。
 
でも結局は、母親に回帰するのでしょうか。
あの2人が求めたものというのは。
私たちが求めているものというのは。
生命と向き合ったとき、
ひとはこういうふうになるのかもしれない。
自分の中身、本質、自分と他者との関係性、
そういったものを探してさまよっているのかもしれない。
私たちもね。
 
ああいった形で終わったのは意外でしたが
ほんとうに面白い小説だった。
面白い・・というより、興味深い・・かなあ。
相当な知識が詰め込まれてた。
おすすめーー。
 
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1984/01 村上 龍

 
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鉄道員 (集英社文庫)
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★★★★☆
 
1997/04
浅田 次郎

映画になってたから大作だろうと思ってたら短編集でした。
 
о 鉄道員
о ラブ・レター
о 悪魔
о 角筈にて
о 伽羅
о うらぼんえ
о ろくでなしのサンタ
о オリヲン座からの招待状
 
ああ・・・どれもよかった。
短編独特の浅さに落胆することなく読めました。
 
 
【鉄道員】
 
こんなに短い話だったのか。
これをあれだけの映画にするとなったら・・
だれるよなーw
映画はあまり好きじゃなかったんです。
なんていうか・・時間が緩やかすぎて疲れた。
雰囲気は好きだけどね・・高倉健かっこいいし。
でも原作はもっとよかったです、すごくよかった。
こういう話だったのねー。
読んでよかった。
家族の身になるとやはり悲しいけれど
鉄道員に身を染めた姿はとても格好良かったです。
 
 
【ラブ・レター】
 
泣いた・・・
なにこれーーーー!!ああもう!
にんげんとしての真ん中に触れられました。
切なくてあったかくなる。
すごくよかった。
いちばんよかった。
おすすめです。
これも映画化されてるんだってー
すごく見てみたい。
白蘭ってどんな顔で描かれているんだろう。
 
 
【悪魔】
 
面白いなあ・・
ラブ・レターのあとにこれがくるのもイイなあ。
不安に満ちていました。
ゆらゆらとたちこめる恐怖。
ラストシーンの家庭教師が良かったー。
 
 
【うらぼんえ】
 
おじいちゃん!!!
めっちゃ素敵!!!
理不尽で納得いかないけど
家族のあたたかさに涙が出ます。
 
 
やはり全体を通して感動系でした。
浅田次郎好きだわ・・
 
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天国までの百マイル天国までの百マイル (朝日文庫)天国までの百マイル
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天国までの百マイル(朝日文庫)
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★★★★☆
 
1998/11
浅田 次郎

初めての浅田次郎。
たぶんこれ、母親がもっていたような気がします。
表紙になんとなく見覚えがあったので借りてみました。
調べたら映画にもなってるんですねー。
 
とても穏やかな文章だと感じました。
このあとも何冊か読んでるのですが
どれにも共通して、真ん中にひとの暖かさがある。
読んでいて気持ちがいいです。
ああ、人間っていいなあと思う。
 
この本では家族の情が主題になってるけど、
家族の関係って難しいですよね。
うちの家もすこし特殊なのです。
婿養子で自営業の父と、家長として偉ぶっていた祖父。
その関係はすごく張り詰めていて、
夜になると父はよく私たちを殴りました。
けれど現在はすっかり衰えてしまった祖父母には介護が要る。
公務員で気丈な母は、自分の楽しみで頭がいっぱい。
だからお互いに気遣えなかったり、憎んだり、蔑んだりもする。
家族だからって無償の愛情をもって相対できるわけじゃない。
 
この家族のなかにある空気も、
許容できない家族を抱えたひとたちのものだと思う。
だけどそんな中、自分の人生のすべてをかけて
母親を救おうとする安男の姿は痛く響きました。
本当に痛かった。
私はここまでできるだろうか
私は多分、祖父がいなくなっても泣けないと思う。
凄く苦しい思いをしているけれど、安男を羨ましく感じます。
 
それから、安男の出会う人々は本当に気持ちがいいですね。
人のために何かをする力って素敵です。
こういうとき人間でよかったって心から思う。
 
ああでもマリさんは切なすぎました。
泣かされました。
愛情ってなんだろう、そういうものなのかな。
やるせないよー・・。
 
すごくいい本です。
年齢によってどんどん印象がかわっていく本だと思います。
また数年後に読みたい。
 
*
 
ちなみに、モデルとなった病院は実在するそうです。
千葉県の鴨川(作中では鴨浦)にある、亀田病院ていうとこらしい。
すごく評判のいい病院なのだそうです。
この病院は浅田次郎のほかの小説にも出てきてました。
 
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「象の消滅」 短篇選集 1980-1991「象の消滅」
短篇選集 1980-1991

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★★★★☆
 
2005/03/31
村上 春樹

ニューヨークで出版された短編集です。
原題は「The elephant vanishes」。
これと同じ構成で17編が収録されていて、
しかも英訳されたお話の再和訳もある。
面白い試みだなあ。
 
まえがきも良かった。
人間味があって村上春樹が更に好きになったよ。
 
収録内容は以下の通り。原題と違うものもあります。
 
о ねじまき鳥と火曜日の女たち
о パン屋再襲撃
о カンガルー通信
о 四月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて
о 眠り
о ローマ帝国の崩壊・一八八一年のインディアン蜂起・ヒットラーのポーランド侵入・そして強風世界
о レーダーホーゼン
о 納屋を焼く
о 緑色の獣
о ファミリー・アフェア
о 窓
о TVピープル
о 中国行きのスロウ・ボート
о 踊る小人
о 午後の最後の芝生
о 象の消滅
 
 
私は短編集は苦手なのだけど、
これだけ収録されていると読み応えがあります。
様々な感情喚起ができてとてもよかった!
 
これ、表紙に使われている作品の実物を見たんです。
大学の教授が展示会に借りてきてくれて・・
すごく素敵でした。
左右対称でないところもいい。
 
 
好きな作品は以下に。
 
 
【ローマ帝国の崩壊・一八八一年のインディアン蜂起・ヒットラーのポーランド侵入・そして強風世界】
 
とても短いお話。
轟音と静寂の差がなんだか気持ちよかったのと、
終わり方がすごく好き。
ああ、そういうこと、って思ってすこし笑っちゃう。
そしてこういう生き方ってすきです。
 
 
【ファミリー・アフェア】
 
私には男兄弟がいないから
その関係性についてよく分からないのだけど
この、無音の了解というか気遣いというか
そういう空気がとても好きでした。
なんだか夢一夜を思い出しちゃうかんじw
すこしだけ切なくて、すてきです。
 
 
【午後の最後の芝生】
 
この本の中で一番好き。最高。
人間と人間。
この世界をつくっている、ちいさな関係性が好きなんです。
こうしたきっかけで生まれる世界。
何も語られないけど
言葉にすると失われるものってあるから
 
主人公も家主もかなり好き。
すごく好き。
そしてこの芝生の上を裸足で歩いて、
夏の暑い日には水をあげたいと感じました。
 
 
「象の消滅」もなかなか好き。
王宮を守る蛇、すごく印象的な文章でした。
ゼヒ原文確かめてみてください。
 
「眠り」はかなり怖いです。
これがアメリカに受け入れられるのかあ・・
でもいくら家族で、いくら愛し合っていても、
人間はひとつにはなれないし完璧に理解などできないから
そういう面で共感を得るのかしら。
 
「踊る小人」も少し怖いです。
「緑色の獣」はかなしくなる。
 
それから、どの作品にも共通するけれど
村上春樹の「僕」ってすごく魅力的です。
 
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エンド・ゲーム―常野物語 (常野物語)エンド・ゲーム―常野物語 (常野物語)
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★★☆☆☆
 
2005/12 恩田 陸

常野(トコノ)物語・3部作の最終巻らしいです。
 
1)光の帝国
2)蒲公英草子
3)エンド・ゲーム
 
私はまだ光の帝国だけ読んでません・・
でもこれ、光の帝国の中の「オセロゲーム」というお話の続編らしい。
なるほど、オセロと言われれば「裏がえす」「裏返される」が想像しやすい。
多分光の帝国を読んでからのほうが良かったんだろうな・・。
 
内容は暗いです。
出口の見えない生き方。
家族以外には味方のいない世界。
とっても生きづらくて、読んでいて苦しいです。
でもこういうのって現代に通じているのかもしれない。
他者の歪んだ部分、私はいつも恐いと感じる。
私はそういうのに敏感で
ちょっとした仕草や返答で相手の真意を読んじゃうんです。
勿論それは偏見に満ちているかもしれない。
只私がそう捉えてしまっているだけかもしれない。
でも、この人たちもきっとおんなじ。
他者の歪みが見えてしまって
自分の領域を確保することで精一杯で
他者との関わりが恐い。
そういうのは分かる気がします。
 
でも本当にずっと闇の中にいる感じで、
誰を信用していいか分からないからすごくつらいです。
誰も彼もが敵に思えてしまう。
「絶対悪」なんて実際は存在していないのだけど
許容できない存在は「味方」ではあり得ないから。
 
最後まで懐疑心に満ちています。
不安と恐怖でいっぱいです。
それが私は受け入れられなくて、
逃げてばかり、泣き言ばかりのこの家族に反感すら感じてしまう。
んん。あまり好きな本ではありませんでした。
 
それでもやはり圧倒されます。
想像力に。表現力に。
 
しかしなんだか火浦さんが哀れすぎる・・
私は彼の無感情さと、ひととき見せた感情のほつれが好き。
彼にはこの先いい人生を送ってほしいです、ほんとに・・。
 
 
本よみうり堂に常野物語についての記事があったのでリンクしておきます。
「失ったもの 伝える一族」
 
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