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「ふたり」赤川次郎

ふたり (新潮文庫)ふたり (新潮文庫)
(bk1楽天FC2)
 
★★★★☆
 
1991/11 赤川 次郎

初めての赤川次郎。
私はミステリーよりファンタジーが好きだから
ファンタジーっぽいものを選んでみた。
なんだかドラマになっていたような気がした。
調べてみたらやっぱりそうなんだねー
連続テレビ小説ではなかったかなぁ。
 
 
とても読みやすい本だった。
懐かしい甘酸っぱい時間があって
だけど立ちはだかる現実は無情で
切なかったり悲しかったり嬉しかったり
いろんな感情を喚起した。
 
 
姉妹はどことなく私たちに似てる。
姉の私は親から妹をかばい、いい子を貫いていたし
妹は小さい頃はおとなしい子だった。
今では私のほうが低血圧でおとなしく、
妹のほうが明るい体育会系になったけれど。
 
でも分かる。
姉妹って不思議な繋がりを持ってる。
無意識にお互いを頼りにしていたりとか
私は妹の「存在」だけでかなり救われてきた。
 
家族という強い信頼感。
たまに疎ましさを孕みながらも
それはほんとうに人間にとって大切なものだと思う。
実際、姉妹同士で乗り越えた問題も多かった。
 
 
だからこの本は私に合っていたんだと思う。
でも切なかった。
抗えない現実が、無数の細い針みたいだった。
受け入れるしかない、でも納得なんかできない。
 
母親の気質が今の私に似ているのも苦しかった。
まわりに重圧をかけてると分かりながら
自分ですら持て余す自分自身。
 
みかはよく頑張ったなぁ。
みかに憧れた。
(そして私の妹もミカという)
 
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「誰のための綾織」飛鳥部勝則

誰のための綾織誰のための綾織
(紀伊LiveDFC2)
 
★★★★☆
 
2005/05 飛鳥部 勝則

ずっと、地に足がつかない心地だった。
その落ち着かなさの正体が分かったのは最後の最後。
やられたー。
 
私はこういう本格ミステリーってあんまり好きじゃないんだけど
ジャケットが素敵だったから思わず借りてしまったのです。
んー。
騙されてるのかなーと思いながらいつのまにか最後までいっちゃって
あんまり世界に浸ることができなかったんだけど・・
でもやられた。
くやしいくらいにサッパリやられました。
 
全体として、怖いです。
おどろおどろしいです。
禍々しいです。
さいさんだけは好きだ。
 
なんか今は盗作疑惑で絶版らしいです。もったいない。
 

「オーデュボンの祈り」伊坂幸太郎

オーデュボンの祈りオーデュボンの祈り (新潮文庫)オーデュボンの祈り
(紀伊LiveDFC2)
 
オーデュボンの祈り(新潮文庫)
(bk1紀伊LiveD楽天FC2)
 
★★★★★
 
2000/12 伊坂 幸太郎

読後感がすごく良かった。
とても愛しい気持ちになる本です。
「読んでよかったー!」って本は久しぶり。うれしい。
 
今まで読んだ伊坂幸太郎のなかではいちばんさわやか。
最初は「オーデュボンてなんだよ!」て思ったけど・・
だってオーデュボンですよ。デュ!ボン!
どうしたって耳慣れない。字面もなんか変な気がする。
だけど、その意味が分かったとき凄く嬉しくなった。そうだったのか。
それならいい。
とてもいい。
オーデュボン。すごくいい。
 
伊坂幸太郎の登場人物たちはいつも個性的だけど、
この本は際立って個性的だと思う。
本国にすら知られていない孤島に生きる様々な人々と相関。
法律の無い場所。
緑のにおい。広大な丘と空。
すごくすてきな場所だなあー・・
勿論無秩序なわけじゃないし、善人ばかりでもないです。
でもどこか落ち着ける雰囲気があって、時間はゆるやか。
 
その中でそれぞれ生きる人々とカカシ。
カカシの頭。
カカシに込められた願い、希望、絶望、切望。
カカシの成り立ちもいいですーーー
島全体の思考回路だもんね。
鳥びいきのカカシってのもたまらん。
 
そして散りばめられた事象が収束していって、
さいごに辿り着いた場所はほんとうに素敵でした。
 
私は、富が幸せじゃないと思う。
だから、だからべつに、裕福を求めなくたっていいと思う。
そういうものなら、欠けたままでもいいと思う。
いまの日本って裕福だけど幸せだとは思えないもん。
インターネットなんて私は欲しくなかった。
もっと狭い範囲の、目に見える世界のなかでだけ生きていたかった。
 
でも、欠けてたものがそういうものじゃなくて良かったです。
しあわせになったよ。
(おぼろげに予測してたけどまさかそうくるとはねーーー)
 
登場人物のなかでは桜が好き。
主人公に対する、桜が好き。
田中さんも好き。画家さんも。
自分の途を持ってる人って羨ましい。
ほかの人達もほんとうに好きです。魅力的だーー。
 
あとがきの講評ではけっこう細かい指摘もされてるんだけど、
私は小難しいことはよくわかんない。
私はこれに満点をつけます。
カフカ以来。
 

「小説 自殺マニュアル」赤城修史+佐藤広之

小説 自殺マニュアル小説 自殺マニュアル
(bk1紀伊LiveD楽天FC2)
 
★★★★☆
 
2003/12
赤城 修史、佐藤 広行 他

病んでるなぁ。
あまりに絶望的で何度も恋人の存在を確認してしまった。
闇に満ちてる。
でも、こういう狂気は誰でも持ってると思う。
この暗黒の世界に、ある種の快感を覚えながら
どんどん深みへと嵌まっていく。
 
 
小説としては構成が甘く感じたけど面白かった。
慣れ親しんだ薬の名前もよく出てくる。
抗鬱、マイナートランキライザー、眠剤。
それに頼らないと生きられない、私みたいな弱者の存在が認められてるみたいでなんだか嬉しかった。
著者がメンヘラらしい。
 
 
内容は、サスペンス…っていうのかな?
様々な事件や人物が一線上に並ぶときが好き。
謎解きほどのものは無いけど、私は面白かった。
 
 
完全自殺マニュアルは知り合いが持っていて
密やかに憧れたもんです。
べつに死ぬわけじゃないんだけど
マニュアルがあると安心できるから。
私は大学1年の頃からリストカットしてて
3年のときにその本の存在を知った。
持ち主に焦がれ、
仲間にしてほしいと思った。
どうにか近付きたかった。
触れたかった。
愛されたかった。
だから私にとって自殺マニュアルという言葉は
あの頃の記憶と一緒になって蘇る特別なもの。
 
 
読んで良かった。
救いなど無かったけど
メンヘラとしての私は救われた。
 
 
ただ、誤植は多すぎるね(-ω-;)
特に主語が違うのはだめだろーw
 

「ドリームタイム」田口ランディ

ドリームタイムドリームタイム (文春文庫 た 61-2)ドリームタイム
(楽天FC2)
(2005/02)
 
ドリームタイム (文春文庫)
(楽天FC2)
 
★★★☆☆
 
2007/09 田口 ランディ


短篇集かと思ったらエッセイに近かった。
ちょっと残念だったけど、読んでくうちに
ランディさんの変化も受け入れられるようになった。
「できればムカつかずに生きたい」よりも素直な印象。
 
好きだったお話は以下に。
 
 
【肉の花】
 
マナちゃんがいいと思った。
ランディさんがマナと記しているのもすき。
生命の流れをちょっと信じた。
 
 
【繭のシールド】
 
着物が着たくなった。
着物で出掛けるランディさんや、
他者との関わりの変化を思って
やっと最近のランディさんが好きになった。
そうか、世界をこう捉らえられるようになったのか。
怖い怖いと言うばかりじゃなくなったことに
なんだか幸せを感じた。
 
【私に似たひと】
 
なんか分かるなあ。
一緒に出掛ける前の憂鬱とか
一緒に過ごす時間の心理とか
私と似てる。
沈黙が心地いい相手っていいよね。
沖縄に行きたくなった。
私は風水とか祈りとかあんまり信じられないけど
世界がエネルギーで、質量は常に一定だという
その考え方にはなんとなく共感する。
だってみんな同じようなこと言ってるし…。
世界はバランスで成り立ってるとかね。
 
*
 
もうランディさんは40を超えていたのか。
私の中の彼女はまだ30代だった
たぶんもう、
小説は書かないんだろうな。
少なくとも以前のようなものは。
内側にあった爆発的な感情はもうないし
受容の立場になってしまったことを理解しているし
世界を見る目が随分変わったから。
 

「ネクロポリス」恩田陸


ネクロポリス 上ネクロポリス 下ネクロポリス 上
(2005/10/13)
(楽天FC2)

ネクロポリス 下
(2005/10/13)
(楽天FC2)
 
★★★☆☆
 
2005/10 恩田 陸

読み終わりました。
率直に、面白いけどウラをかきすぎ・・・?
よくできてはいるんだけど、なんだかしっくりこない。
 
それでも世界観はとても素敵だし、
登場人物たちも好感が持てて個性ある人ばかりなので
そういう部分ではほんとうに面白いです。
考えてもみなかった発想がぽんぽん出てくる。
だから私は上巻のほうが面白かったように感じます。
 
 
 
海の流れ(黒潮)によって、古くからたまに日本人が流れ着いていた関係で、日本文化が少し変化しながらもあちこちに入り込んでいるのが面白い。基本的には英国のカトリックなんだけど宗教観はなんとなく日本寄りな感じ。
話の中心となる国を挙げての一大行事・ヒガンが、亡くなった人との時間の共有であるところ、その間は禅の修業のような、ストイックな生活を強いられるところ。鳥居、お稲荷様、御陵、童謡。
たまに見出される文化の共通点がすごく面白いです。
共通点は大体、主人公のジュンが分析して見つけるんだけど
解明したときにはジュンと一緒になってそっかー!って高揚しちゃう。
 
 
 
この本はミステリー的に読むよりもファンタジー的に読んだほうがきっと素直に世界に入れるし、楽しめるんじゃないかと思います。
ミステリーとしては前述の通り、考えすぎ感がある。
散りばめられた事件や謎、それに対する様々な憶測は面白くて
色々考えてたまに上巻に戻ったりもしながら読んだけど、
あのオチはなぁ、考え付く筈もないなw
というよりも反則かなあ。ちょっと解せない。
・・・いや、だいぶ。むぅ。
 
ホラーの要素もけっこう入ってます。
途中でジミーとテリーがぐっと表出してくるあたりは本当に怖い。
あのあたりはホントにぐるぐるといろんな可能性を考えますね。
なんだか途中からジミーの印象がぐっと大人にならざるを得なくなって
そのへんがまたもしっくりこなかったんだけど。
最初のほうは気のいい少年ってかんじだったのになあ。
 
でもこの本には本当に色々な要素がちりばめられているけど、
途中途中でちゃんと登場人物たちがまとめてくれます。
だからとても整理しやすかったし考えやすかった。
 
 
 
それから、私が興味深かったのは影の実体、光と影の関係。
最後に語られる部分ですね。
この考え方はとても好きです。
烏、鳥居、太陽、様々な国の文化、伝承。
あああそしてその場所にいるラインマンもよかったですーーー
というよりラインマンはいつでも格好よかった・・・!!
彼が居ると本当に安心する。
ラインマンと友達になりたい~~~~~。
彼の本当の名前が気になって仕方ありません。
お姉ちゃんの名前は分かったのになー。
 
 
最後にあとひとつ。
この本の装丁とタイポグラフィがめちゃめちゃ好きです。
タイポなんてもうすーーーーーっごい私好み!!!!!
上下巻でひとつの絵になってるのもいいよね。
(だから並べてみたよ)
 
長くなっちゃいましたが世界観は本当に面白い本です。
最後はちょっとやりきれないけど、
私はこれを読んでゆで卵を食べたくなりました。w
 

「リセット」北村 薫

リセット (新潮文庫)リセット (新潮文庫)
 
★★★☆☆
 
2003/06 北村 薫

とても仲の良かった後輩から、これ2冊目だからと譲り受けた本。
読みたいときに手元になかったから買ってしまったのだそうです。
北村薫を読んだのはこれが初めてでした。
 
最初は文体にとまっどったけれど、すぐに慣れて流れの美しさに浸ります。
今思うと恩田陸の「蒲公英草子」に似てるかもしれない。
一般の人たちとはどこか時間の流れの違う、
空気の違う場所に居るお嬢様。
 
だけど嫌味のようなものはないです。
とても可愛らしくて純粋。
ときどき伝わってくるような鼓動が印象深く残っています。
男女の境界が厳しかった時代の想い。
皮肉に巻き起こる戦争。
抗えない現実の大きさは、切なくてぎゅっとなります。
 
私にとっては、「ジュラルミン」という言葉が鮮明に響きました。
聞きなれないその言葉と、実際に起きた戦争。
私は何も知らないまま平和を生きているんだなあと
すこし悲しいような申し訳ないような気分になったのを覚えています。
 
私はこの本から読んでしまいましたが、
「スキップ」「ターン」に続く3部目らしいです。
時間を超える想いという点ではライオンハートにも似てるかな。
想いは強いよ。
外部からの圧力で、サラっとかき消されちゃうようなもんじゃないんだよね。
そんなふうに思った。
すてきな恋愛小説です。
 

かいてるひと

こも

こも (como)
フリーデザイナー。
少しだけプログラマー。
DG:flash.web.graphic
PG:as.php.perl.js.c
院卒28歳、めがね好き。
FC2プロフ

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