![]() | グラスホッパー ★★★★☆ 2004/07 伊坂 幸太郎 |
伊坂幸太郎2冊め。
「オーデュボンの祈り」が読みたかったけど図書館になかった。
最初に気になってたのはこれだったから借りてみました。
この本も、数人の視点から書かれていて、
断片的だった物語がひとつの結論へと収束していく形です。
こういうのほんとうに好き。
バラバラだった要素が繋がっていくときの高揚感がたまらない。
でも私が前回読んだ「ラッシュライフ」よりずっと読みやすいです。
なぜなら時系列が前後しないから。
移り変わる主人公ごとに思考を合わせていけば、自動的に結論に辿り着けるから凄く読みやすく感じました。
逆に言えばもっと難解さが欲しかった、私としては。
でもやっぱり面白いです。
私はなんだか蝉が好きかも。
あ・・・いや、槿(あさがお(←本当は木槿でむくげと読むらし))かな。
うーん。。
それぞれ個性ちゃんと立ってて、人間的で、みんな好きです。
鈴木の一途さ、妻への感情、ゆるい指輪。穏やかな家庭への憧れ。
不思議な眼を持つ鯨。
死にゆく人々。亡霊たち。
認められたい蝉、素直じゃない岩西、劇団。
みんな生きてる。
自分の前を見て。確かめながら、考えながら、歩いてる。
グラスホッパーって、バッタという意味だったんですね。
調べて分かりました・・・。
そっちのgrassだったのか。
グラス(glass)の水泡かと思っていました。いやん恥ずかしい。
そうか、バッタだったのか。
人間は昆虫のようだって。
なんだか分かる気がする。
でも、「他者」は虫だけど「自分の仲間」は人間なんだよな。
仲間としての境界の内側にいる存在は大切にする。
贈り物をあげたり、心配をしたり、世話を焼いたり。
自分のためにならないようなことまでしちゃったりするよね。
ああいうのって、虫にはないんじゃないかな?
他者として蠢く、多くの人間。
仲間として感じないことによって起こる犯罪。悲劇。
"死んでるみたいに生きたくない"
生きること、じぶんの生命、未来。
生きるように生きたらもっと楽しく生きられるかもしれないですね。
苦しいこともきっと多いけど、
そこはたぶん、鮮やかな現実。
すこし恐い部分もあるお話だけど、ちゃんと希望もあります。
それから、最後の最後、社長のところは本当にやられました。
ここでそうきたかーーーーーー!って。
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