触れ 色づきゆく

せかいを彩る要素たちのことを書きます。 本を中心に、生活雑貨、展示物、映画などについて。 ネタバレはしません。


ネクロポリス 上ネクロポリス 下ネクロポリス 上
(2005/10/13)
(楽天FC2)

ネクロポリス 下
(2005/10/13)
(楽天FC2)
 
★★★☆☆
 
2005/10 恩田 陸

読み終わりました。
率直に、面白いけどウラをかきすぎ・・・?
よくできてはいるんだけど、なんだかしっくりこない。
 
それでも世界観はとても素敵だし、
登場人物たちも好感が持てて個性ある人ばかりなので
そういう部分ではほんとうに面白いです。
考えてもみなかった発想がぽんぽん出てくる。
だから私は上巻のほうが面白かったように感じます。
 
 
 
海の流れ(黒潮)によって、古くからたまに日本人が流れ着いていた関係で、日本文化が少し変化しながらもあちこちに入り込んでいるのが面白い。基本的には英国のカトリックなんだけど宗教観はなんとなく日本寄りな感じ。
話の中心となる国を挙げての一大行事・ヒガンが、亡くなった人との時間の共有であるところ、その間は禅の修業のような、ストイックな生活を強いられるところ。鳥居、お稲荷様、御陵、童謡。
たまに見出される文化の共通点がすごく面白いです。
共通点は大体、主人公のジュンが分析して見つけるんだけど
解明したときにはジュンと一緒になってそっかー!って高揚しちゃう。
 
 
 
この本はミステリー的に読むよりもファンタジー的に読んだほうがきっと素直に世界に入れるし、楽しめるんじゃないかと思います。
ミステリーとしては前述の通り、考えすぎ感がある。
散りばめられた事件や謎、それに対する様々な憶測は面白くて
色々考えてたまに上巻に戻ったりもしながら読んだけど、
あのオチはなぁ、考え付く筈もないなw
というよりも反則かなあ。ちょっと解せない。
・・・いや、だいぶ。むぅ。
 
ホラーの要素もけっこう入ってます。
途中でジミーとテリーがぐっと表出してくるあたりは本当に怖い。
あのあたりはホントにぐるぐるといろんな可能性を考えますね。
なんだか途中からジミーの印象がぐっと大人にならざるを得なくなって
そのへんがまたもしっくりこなかったんだけど。
最初のほうは気のいい少年ってかんじだったのになあ。
 
でもこの本には本当に色々な要素がちりばめられているけど、
途中途中でちゃんと登場人物たちがまとめてくれます。
だからとても整理しやすかったし考えやすかった。
 
 
 
それから、私が興味深かったのは影の実体、光と影の関係。
最後に語られる部分ですね。
この考え方はとても好きです。
烏、鳥居、太陽、様々な国の文化、伝承。
あああそしてその場所にいるラインマンもよかったですーーー
というよりラインマンはいつでも格好よかった・・・!!
彼が居ると本当に安心する。
ラインマンと友達になりたい〜〜〜〜〜。
彼の本当の名前が気になって仕方ありません。
お姉ちゃんの名前は分かったのになー。
 
 
最後にあとひとつ。
この本の装丁とタイポグラフィがめちゃめちゃ好きです。
タイポなんてもうすーーーーーっごい私好み!!!!!
上下巻でひとつの絵になってるのもいいよね。
(だから並べてみたよ)
 
長くなっちゃいましたが世界観は本当に面白い本です。
最後はちょっとやりきれないけど、
私はこれを読んでゆで卵を食べたくなりました。w
 
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桜満 (おうみ)

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