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「錦繍」宮本輝

錦繍 (新潮文庫)錦繍 (新潮文庫)
(FC2)

★★★★☆

1985/05
宮本 輝

この人の本は、初めて読むと思います。今更。
男性だったなんて知らなかった。

この本は
なにかの雑誌で紹介されていて気になっていました。
新聞だったかな?

夫婦という間柄だからこそ
見える人間性がとても響いた。
我儘を言える。
中身をさらけ出せる。
醜くても、その中に核があると信じられるから。

制約がありながらそこに描かれた情景は鮮やかで
ロープウェイの外に拡がる景色は
なぜか強く私の印象に残りました。

表紙もよかったなあ。
金色がよかった。
それから秀逸な題名。

私はまだ26歳だけれど
でもどこか褪めているから
現実に対する思いというのは分かる気がして
共有でもあって
救いでもありました。

たぶん、愛情の黒い部分も認めた人がより楽しめる本。
読後感はわりと爽やかかな。
京都周辺特有の口調も穏やかで響きが良いです。
 

「チルドレン」伊坂幸太郎

チルドレンチルドレン
(FC2)

★★★★☆

2004/05/21
伊坂 幸太郎

残念ながら短編集。
でも全部に繋がりはあるので浅すぎるわけではない、かな?
明快な、爽快な、お話たち。

安心して読める。
キャラが立っててテンポがいい。

けっこう重い内容をさらっと流して
心にふっと触れる文章が
苦笑する感覚を呼び起こす。
そのへんのバランスが好き。
思わず笑っちゃうノリも好き。

ちょっとバカだけど、
こういう大人じゃないと人間じゃないよね!って。

でもやっぱりもっと深く読みたいなー。
短編は物足りないです><

あ、どうも見覚えがある字面だと思ったら
やっぱり「陽気なギャングが地球を回す」の登場人物たちなのですねー!
 

「失踪HOLIDAY」乙一

失踪HOLIDAY失踪HOLIDAY
(FC2)

★★☆☆☆

2000/12
乙一

2冊目の乙一でこれを選んだのは失敗だったかも(´ロ`)

「失踪HOLIDAY」とあるけれど
「しあわせは子猫のかたち」という短編が最初に収録されています。
珍しいですねこういうの。
そしてその短編のほうが好きでした。
流れが穏やかで、切なくもあたたかーい感じが。
逆にこれだけのが良かったなぁ笑

ところでこれって角川だから挿絵が入ってるの?
ラノベってやつ???
個人的には小説に挿絵っていらないんだけどな・・・。
や・べつにね、絵は可愛し嫌ではないけどね、
電車で読むの恥ずかしいし
なによりせっかく想像の世界なのに挿絵はそれを制限するから勿体無いなと。
(服装が描写と違ったりすると気になるし。。)

まぁそれは気にせず、読み進めてみた。

失踪HOLIDAY、
感動できなかった・・・
「感情が動かない」という意味で。

先が予測できるわけではないんだけど
人間味が浅いのかなー
軸が細いのかなー・・・
うぐーーー・・・・・・

まあ良く言えば読みやすいです。薄い本だし。
なんにも考えずに、
純粋に読むだけなら
心地よさも感じられると思います。

この本、漫画版も出ているみたいです。
読んだことないけど漫画のがよさそうかもー。

失踪HOLIDAY (角川コミックス・エース (KCA170-1))失踪HOLIDAY
(角川コミックス・エース (KCA170-1))

乙一、清原 紘

 

「夏と花火と私の死体」乙一

夏と花火と私の死体夏と花火と私の死体
(FC2)

★★☆☆☆

2000/05
乙一

小野不由美が解説を書いていた。羨ましい・・・。
乙一さんのデビュー作だそうです。
書いた当時は16歳だったそうな。
でも、小野さんが言うような、
"年齢に関わらず" 面白い とは思えなかった。
やはり稚拙だと感じるし浅い。
緊迫感を出そうとしているのは分かるけど、
それを読者に感じさせてしまうのは
作家として未熟だった証拠なんじゃないかな。

年齢を考慮すれば優れているとは思う。
この年齢にしてここまで計算できるのは凄い。
だけど、
単純にひとつの作品として見ると、
私には物足りない作品に思えました。
読者にとって重要なのは作家の年齢じゃないもの。
でも読みきるのは難しくありません。

面白いのは視点かなー?
ちょっと不思議な感覚で進んでいきます。
斬新とまではいえないかもしれないけど、
登場人物の無邪気さや幼稚さは楽しめる。
ちいさなちいさな脳みそに走る電流を思い浮かべて。

ホラー小説だと思います。
ミステリー好きには多分物足りない。
個人的には書き下ろし作品の「優子」のほうが良かったです。
 

「アヒルと鴨のコインロッカー」伊坂幸太郎

アヒルと鴨のコインロッカーアヒルと鴨のコインロッカー
(FC2)

★★★☆☆

2003/11/20
伊坂 幸太郎

思ったほどは、楽しめなかった。
期待しすぎたかなー。。

「アヒルと鴨」の意味について
もうすこし深みが欲しかった。
あっさりしすぎー
あぁ、これは全体に言えると思う。
あっさりしている。

主人公が巻き込まれた事件の真相が
明らかになっていく過程は悪くないんだけど
じゃあ現在は?未来は?

って、私は、思ってしまった。

ちょっと悲しくてちょっと重いお話を
こんなにあっさり読めるのはすごいけど
私としてはもうちょっと重くして欲しかった。
だけど現在の川崎なら仕方ないのかな?

んー、伊坂さんとしてはちょっと残念な印象。
日本人の気質が悲しいなあと考えました。
 

「柔らかな頬」桐野夏生

柔らかな頬〈上〉(文春文庫)柔らかな頬〈下〉(文春文庫)柔らかな頬〈上〉(FC2)

柔らかな頬〈下〉(FC2)

★★★★☆

2004/12
桐野 夏生

久しぶりの桐野夏生。
あとで知ったけれど直木賞受賞作品らしいです。
ちなみに直木賞は大衆小説が対象で、
芥川賞は純文学が対象なんだって。

さてこの本、
途中で出てくる「柔らかな頬」を連想させる表現が
甘くてさらさらしていて心地よいものだったので
この内容には驚愕。
ミステリーではなかったと思う。多分。

描かれているのはなかみ。
にんげんのなかみ。
ゆれるもの、
不安定なもの、
安定を求めて歩き続けて、
そのうち目的を忘れて
それでも歩かなくてはいけない人間たちのなかみ。

苦しい話だった。
だけど切り替えがうまくて、
引き込まれる。
つくりがいいってことなんだろうなー。
表現力ではなく、つくり。
切り込み。
揺れ方。
それが深く響いた、いい作品。
オススメできるような雰囲気のものではないけど
ほかにこんな本もないのではと思う。

私は、主人公はけっこう好きだった。
執着心に惹かれたから。
生き続ける意味の虚空の前でなお
自ら生きようとする姿勢が
私がいま最も欲しいものだと感じる。

(追記)
私は本の感想を書くとき
30~50くらいの記事を読むのだけど
その中にこういう文があった。
>この本は絶望を味わった事がある人には希望。
成程。
そういう考え方はできるかもしれない。
私にとって希望というほどではないけど、
救いになったのは事実だ。

(さらに追記)
描かれなかった初期設定見つけました。
これもびっくりした・・・
けど、いま思えば納得。
納得したけど、
かなり、
遣り切れないものがある。。

ところで「顔に降りかかる雨」は初めて読んだ桐野夏生作品。
シリーズが想定されてたなんて偶然だなぁ。
「OUT」を読んでみたくなりました。
 
 

「死神の精度」伊坂幸太郎

死神の精度死神の精度
(単行本BK1紀伊楽天FC2)

★★★☆☆

2008/02/08
伊坂 幸太郎

読後感、史上最強の作品。
シメがいい。私にとってはほとんどそれがすべて。

この本を
図書館で予約したときに
「映画にもなってますよね」って言われました。
そうなんだ~~~。。
調べてみたら、金城さんなんですね。ほー。。
舞台もあるんですね。
割と興味はあるけれど、
私が好きなのはあくまで伊坂さん。
実写(現実)はある意味親切すぎるので、
想像の余地のある小説が、好き。
実写は実写で別の視点から好きですけども。

今はとにかく 伊坂幸太郎が面白くて読みたくて、
彼のクセを知りたい、
作風を知りたい という気持ちが大きいので
先入観なく読んでいきたいと思っています。
それでも短編やオムニバスは苦手ですが。。

しかし連載ゆえにオムニバスのこの作品で
このように締めくくられた喜びをどう表現しよう?

前述のとおり、伊坂作品に対して在るのは興味であって
期待が大きいわけではありません。
だから純粋に捉えてるといえばそうだと思うのですが
私にとって、前置きはさほど面白くありませんでした。
んー、面白いけど、
伊坂さん特有のキャラ作りが主体。
キャラを立たせる為の前置きに感じました。

主人公はなんとなく可愛くて、憎めない。
そんな主人公を応援してるかんじになります。
しかも今回は死神が主題。
死神だって神様ですよ?
人間の及ばない力がある。
それが心地よくもあるのだけれど、
それだけじゃなかったなー。
(実際に死神かどうかはご確認あれ)
「ミュージック!」なんて可愛い。

各話多少強引かなとも思ったのですが
とにかく最後の落としどころがうまい。心地いい。

あたたかくなりました。
あっさりめの、いい作品。

ただ、感情移入はしづらいです。
ふたつの立場があって、
片一方は絶対的だから。
それでも面白いです。
興味深いんです。
最終話以外ではそこが面白かったかもしれない。
 

「暗いところで待ち合わせ」乙一

暗いところで待ち合わせ (幻冬舎文庫)暗いところで待ち合わせ
(BK1楽天FC2)

★★★☆☆

2002/04
乙一

初めての乙一さんでした。
うーん。
なんだろう、
ゆっくりと流れる
時間の描き方はとても好き。
認知から、認識、行動までの流れ。
それが感じられるのが良かった。
繊細な空気。
繭のように脆い繋がり。

ですが全体的に見ると
実はそれほど良くはありませんでした。
まだ1冊目なので分かりませんが。。
深みに欠けるかな・・・

「感じる」部分が強い。
故に、割と表面的な印象でした。

とはいえ飽きることなくずーーーっと読めちゃいます。
面白いし、引き込む力があると思う。
ちょっとした裏切りがあったもりするし。

個人的にはあまり感動できなかったけど、
途中で泣きそうになることはありました。
フィクションとしていいお話だと思います。
現実だったら怖すぎますが。
それでも
この気持ちは分かる。
私がこの状況であれば
同じ道を歩むような気がします。

そのうちほかの乙一作品も読んでみます。
 

「アンダーグラウンド」村上春樹

アンダーグラウンドアンダーグラウンド
(FC2)

★★★★☆

1997/03
村上 春樹

考えさせられる、という視点で★4つ。
地下鉄サリン事件のインタビュー小説です。
小説ではありませんが
純粋なインタビューでもないと思う。
というのは、彼独特の言い回しが
ところどころ繰り返されていて
全体の色調がまとまっているから。
純粋なインタビューならばこうまとまらないんじゃないかと思う。

(wikipedia参照:地下鉄サリン事件松本サリン事件

対談形式ではなく、
読みやすさに配慮してか
語り口調ながらもするする読めるように構成されています。

地下鉄サリン事件の被害者が、
あのときどう思ったか。
何を見たのか。
実際の光景とはどんなものなのか。
そういう事実が、
各自の認知を通してですが
いや、多分だからこそ、
生々しく伝わってきます。

症状の軽い人も思い人もいる。
でもそれは
人間性の差ではなく
社会性の差でもなく
なんらかの決定的な差異があるわけでもない。
ただ偶然、
サリン電車に乗り合わせてしまって
そのときの風の方向や位置関係によって
実に様々な影響を与えていました。

想像するだけでも壮絶な光景なのだけど
みんな、それが何を意味するのか分からない。
混乱する中央。(救急、警察等)
来ない救急車。
目の前で倒れたままの人々・・・・・・。

成す術がない。
恨む相手も分からない。
というか、まず、理解ができない。これは何?

私の実感として、
若い世代は
あまり責任を他人に押し付けない気がする。
その分かえって 自分に責があると思ったりもするのだけど

全体としてオウムに対する感情は
「絶対に極刑」もしくは
「よく分からないが責任を果たすべきなのでは」
という2種類に大別できると感じています。

極刑だというのは、割と高齢者に多い。

たぶん社会の、環境の、違いなんだと思う。
私達(若い世代)は個性を重視されて育ったから・・・・・・
そういう人がいることも認識している。

昔の人たちは、
社会的不適合者は病人として隔離されたりして
一般に受け入れられることはなかったんだろうな。

人間じゃないのだから、
人間の法律をあてはめるのはおかしい。
そういう文章が 印象的でした。

昔の人は一途だ。
若い人たちはその責をどこにぶつけるでもない。
ただ、実感として在る不調を受け入れて戦う。

私が面白いと思ったのはそのへんでした。
あとは個人の認識の差こそあれ、
大抵そのとき駅で起こった事実についてのお話でした。
同じ電車に乗っていたひとたちは
だいたい似たような認識をしています。
たまに頭のとても良い人もいたけれど。

けっこう分厚い本ですが
中身は延々とインタビューです。
べつに飽きることはないのだけど、
村上春樹独特の言い回しが多用されていて
その新鮮さを失っていったのが残念。

でも興味深い本です。
1度は読んでおいていいと思います。
(作るのも大変だっただろうなあ)

私は一度命を落としかけてるし
日常のなかで突如起こる事件にも遭遇しているから
いつも「いま死ぬかもしれない」って思って過ごしてるけど、
そういう、
命に対する執着というか
幸せな時間を大切にしなくてはとか
そういう気持ちになると思います。

最期の、和田さんの話はすごく苦しかったです。

そう、
本当に苦しいのは残された人なんだよね。
だから私は
そのために死ぬことはできない。
ちゃんと生きなくては、って思います。
 

「おやすみプンプン 4」浅野いにお

おやすみプンプン 4 (4) (ヤングサンデーコミックス)おやすみプンプン 4
(BK1紀伊LiveD楽天FC2)

★★★★★

2009/01/30
浅野 いにお

だだ泣き。。

生きるなかで
自分の意思に関わらず
どんどん積み重なる時間、
その重み、

けれど逃れようとも逃れられない

本能と

理性。

本能を抑えつけて
理性で固めて生きている現代人が
縋る、誰かの体温。

忘れないでください、
私が、
いま、
生きていることを。
この命を。
どうか忘れないで。

生きづらい世界で
どうにか命に価値をつけようとする人間。
その愚かさを知っていても
「失う悲しみ」を知っている人、または
それを予測できる知能のある人は
自ら命を絶つことができずに
ぐしゃぐしゃになっても尚生きています。
そんな生の描写が感じられて
なんだか私の見ている世界そのものなので
嬉しくて悲しくて痛くて
涙がとまらなかった。

批判の声も多く見受けますが
私は4巻で救われた気がします。
見たくないもの、
それが現実。
忘れたくても消えない澱み。
 

かいてるひと

こも

こも (como)
フリーデザイナー。
少しだけプログラマー。
DG:flash.web.graphic
PG:as.php.perl.js.c
院卒28歳、めがね好き。
FC2プロフ

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